オスカープロモーション文化人部門に初の「プロ麻雀士」女流プロ・松嶋桃の挑戦

 大手芸能事務所オスカープロモーションの文化人枠「文化事業部」に、事務所創設以来初の肩書きが登場した。作家、スポーツ選手、画家などと並んで追加されたのは「プロ麻雀士」。今年7月から所属した松嶋桃(日本プロ麻雀協会)だ。京大法学部卒の才女は、プロ雀士として活躍する傍ら、テレビのクイズ番組で活躍したことをきっかけに、麻雀界から初めてオスカー入りすることになった。新たなフィールドに飛び出した松嶋は、どんな挑戦をしようとしているのか。

 近年、テレビのBS・CS局、AbemaTVやニコニコ生放送などのネット環境などで、麻雀対局番組が飛躍的に増えた。出演者の中心は麻雀プロだが、番組が増えるにつれて芸能人の出演機会も増えてきた。「プロ級雀士」にとどまらず、プロ団体のテストを受けて「タレント兼プロ雀士」として活動する者も出てきた。そんな中、麻雀界から芸能事務所、しかも超大手のオスカープロモーションに所属とあって、松嶋は業界内で大きな話題となった。


 契機は地上派で放送されたクイズ番組だ。「同じ事務所で経済エンターテイナーの鈴木貴博さんとお話をする機会があって。私自身、それまで全部自分で仕事の依頼を受けていたのですが、テレビの方々もどこに依頼を出していいか分からない状況だったらしく。事務所の方を紹介していただいてから所属が決まるまで時間はかかりませんでした」。別のクイズ番組で優勝した際「テレビに出れば、麻雀を見たことがない人にも、たくさん『麻雀』というワードに触れてもらえる」と、麻雀以外での活動に興味を持ち始めていたころだった。プロ麻雀士を文化人の部門で所属させようという事務所の意向も、決め手になった。


 まだテレビ出演の機会は多くはないが、吸収することはたくさんあった。「芸人さんにお会いすることが多いですが、本当にすごい。話を全部拾うし、ろくに知らない私にも突っ込みを入れてくれるし、頭がいいし。感動しました」と驚いた。麻雀対局番組では選手としてだけでなく、実況やMCとしても7年ほど活動しているが、手作りのネット配信で見よう見まねで続けてきただけに、「テレビのプロ」の仕事に衝撃を受けた。


 麻雀界に身を起きつつ、テレビの大海原に飛び出したことで考えを強めたことがある。「一般の目をもっと意識した方がいい」ということだ。一時期よりはイメージが向上した感がある麻雀だが、今でも映画をはじめとした作品ではギャンブル、タバコ、闇社会というようなイメージのものも多く、縁がない人ほどそのイメージは強い。「一般に出て人気を得ようするなら、すごくいいイメージを与えるより、マイナスのイメージを与えないことの方が大事だと思うんです」と真剣な表情で語り続けた。


 芸能界のみならずスポーツ界で、トッププロがSNSで過激な発言をしようものなら、すぐに話題となり“炎上”する。そのためSNSでの発言も気を使う人が多い。ただ、松嶋の目には麻雀プロの投稿で、気になるものも多く入ってくる。「自分も含めて気をつけないといけないと思う点」と、課題を挙げた。プロ麻雀士という職業が、はっきりと成立していない時期だからこそ、どことなく感じられる“ゆるさ”にようなものに、松嶋は危機感を覚えている。


 大手芸能事務所のプロ麻雀士第1号だからこそ、自分にプレッシャーもかけている。「麻雀界から芸能界に出て行くという道を切り拓いていく、というイメージでやっています。そういう意味で失敗はしたくありません。私を見て、芸能事務所に入ろうというアクションを起こしてくれる人も増えるかもしれないですし」と、先駆者の自覚は十分だ。「得意分野は人それぞれ。私ならクイズなので、そこから麻雀を知ってもらえればいいですね」と意気込んだ。


 8月1日、女子高生のみによる麻雀番組で解説を務めると、参加者からプロ麻雀士を志すという言葉を聞き、優しくほほ笑んだ。「イメージをよくするためには、ステップがいくつかあると思っています。それが進めば女子高生の麻雀ファンももっと増えるかもしれないですね」。女子高生たちが志す職業の1つにプロ麻雀士を挙げた時、松嶋の挑戦は1つの成功にたどり着く。

(C)AbemaTV

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