女流プロ雀士・和久津晶「人読みには自信があります」視線を気にし続けた過去バネに

 強豪ぞろいのRTDリーグ。3年目の開催で初めて女流プロが参戦する。日本プロ麻雀連盟最高峰のA1リーグに参戦している和久津晶だ。他の出場選手を前に、実力も実績も劣ると自覚する和久津が、絶対的な自信を持っているのは「人読み」。長所と自覚し、武器として使えるようになるまでには、亡くなった母が抱えていたハンディキャップと、そこに注がれる周囲からの「視線」に敏感だった過去があった。

 「私より強い女流プロはいっぱいいる。ただ私より変わったことをする女流プロはいない」と自己分析。そして選出理由を「劇薬投入」と即答し、自身の役割はオーソドックスではなく「異質な存在」と位置付けた。


 第9・12期プロクイーン獲得後、現在は女流プロでただ1人、日本プロ麻雀連盟A1リーグで孤高の戦いに挑んでいる。RTDリーグにおいても女流プロ1人という立場は同じ。普段「所詮、女流」と言われている女流プロ全員の悔しさを背負いたいと、戦国時代を駆け抜けたおんな城主・井伊直虎をも彷彿させる。


 そんな和久津が麻雀の強さを測る基準は、歴ではなく、決勝進出の回数。「麻雀の修羅場である決勝卓」を経験している人たちが、RTDリーグには多いと背筋を伸ばす。これまで日本プロ麻雀連盟公式戦の決勝に11回残り、優勝はプロクイーンの2回。「決勝戦に強くなるためには、決勝に1つでも多く残る以外にはない」とし、自分の「武器」を駆使してRTD決勝卓を目指す。


 その「武器」とは、牌理ではなく心理、いわゆる「人読み」だ。オーソドックスな戦い方といえば「牌理の組み立て→山読み→心理読み」という優先順位が多い中、和久津の優先順位は真逆。「心理読み→山読み→牌理の組み立て」の順。要は相手の心理を読むことを最優先事項として戦っているのだ。


 ただ初出場だけに、初対戦の選手も多い。したがってまずは通常の「波動」と局面における行動や表情が真か嘘かを見極めるとし「そこを見極めてからが、私の本当の勝負」と予選ビジョンを組み立てている。そのために2半荘は時間を費やし、そこで掴み取った「情報」は、3半荘目以降に生かしていくつもりだ。


 その武器である「人読み」を身につけたのは、小学校時代にさかのぼる。母親は病気のため車椅子での生活だった。小学生の和久津が車椅子を押す光景に、様々な「視線」を浴びせられたという。そんな自身が置かれた環境の中で「相手が何を考えているのか」を幼少期から察してきた。というより、察せざるを得なかった。そうやってないと「生きてこられなかった」と振り返る。


 全女流プロたちの想いを背負い、RTDリーグという四角いリングに、己の武器ひとつで凛と立つ。足りない部分は自身がくぐり抜けてきた「人生の修羅場の数」でカバーし「私の一打が、誰かに何かを伝えることができるんではないか」とメッセージを込めて。【福山純生(雀聖アワー)】


◆和久津晶(わくつ・あきら) 1978年2月17日 東京都出身、O型。日本プロ麻雀連盟所属。第9・12期プロクイーン。第16回天空麻雀。異名は「超攻撃アマゾネス」。

(C)AbemaTV

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