麻雀プロ・内川幸太郎が味わった栄冠と挫折「気持ちが浮ついていた」自身を見つめ直し再発進

 2017年のRTDリーグでは、洗礼を浴びる形となった内川幸太郎。その苦い経験を活かし、自身が所属する日本プロ麻雀連盟では、悲願の鳳凰位を獲得するべく、最高峰タイトルの鳳凰位決定戦に進出。そして昨年のリベンジを果たすべくRTDリーグに臨む。

 「正直、今期出場できるとは思っていなかったんです」内川は素直に心情を吐露した。昨年はWHITEで最下位だっため「とくに実績もないので、入れ替え候補の一番手」だと思い込んでいた。出場オファーの要因は「鳳凰位決定戦に行けたこと」と受けとめている。だからといってマイナス思考ではない。初出場時の単なる緊張感とは異なる「またここでやれる」という心地よい緊張感を抱いている。それはRTDリーグで戦えることに、感謝と畏怖があるからだ。


 メディア対局にデビューしたのは、2016年に行われた麻雀プロ日本一決定戦だった。そこで日本プロ麻雀連盟優勝の原動力となる個人成績32人中2位という成績を残し、昨年RTDリーグに颯爽と登場した。しかし結果は予選最下位。栄冠と挫折をいっぺんに味わい「若干気持ちが浮ついていた」と自分を見つめ直した。


 昨年1年間戦ってみて「ピントがずれていた」ことは痛感している。卓上では目が慣れず「置いていかれている感」があったという。小林剛の仕掛けであったり、村上淳や鈴木たろうがぐいぐい押していく前で、あと1牌が押せなくなり、テンパイ速度も追いつけなかった。


 内川の特筆すべき特徴は、相手との「距離感の取り方」。そこは誰よりも秀でている自信がある。具体的に言えば、リーチ判断にしても鳴きを選択するにしても、マーク者に手牌が入っているときに、距離感のピントが合っていれば、存分に渡り合える。しかし一旦ピントがずれてしまうと対局しながらの修正は難しく、厳しい戦いとなる。


 マーク者とは、点数かポイントを持っている人を指し、マーク者を乗り越えていかなければ勝利はつかみ取れない。したがって局展開を想定し、マーク者にピントを合わせて対処していくことは「生命線」となる。そのピント合わせに必要な条件は「人読み」。対局者の情報はすべて卓上で収集する。手出しツモ切りをはじめ、模打動作、打牌のトーン、河の状況を含め、あらゆる情報を目で追っていく。したがって対局後は、眼精疲労による頭痛で動けなくなることすらある。


 今期も人読みを加味し、あらゆる可能性を瞬時に見極め、自身のアガリをギリギリまで追い求めていく。そのうえで大事なことは「自分のプレーがしっかりできるかどうか」だと新たに導入される降級システムに対しても腹は括れている。


 予選ビジョンは「オーソドックスなことを確実に遂行する」こと。普段のプロ活動は、麻雀教室の講師が中心なだけに、生徒の願いも背負っているにちがいない。


 昨年はほとんどお見せすることは出来ませんでしたがと前置きし、今期は勝ってる姿をみなさんにお見せできるように、結果にこだわって戦っていきたい。そしてポイントを伸ばせるときにはしっかり伸ばし、失点を最小限に抑えていくと誓った。


 味わった挫折を再び栄冠に変える。その「手順」を見せる時は満ちた。【福山純生(雀聖アワー)】


◆内川幸太郎(うちかわ・こうたろう)1981年5月6日、長野県生まれ、O型。日本プロ麻雀連盟所属。異名は「手順マエストロ」。

(C)AbemaTV

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