別々に暮らす2人の子供のために…デジタルプロ雀士・村上淳の信念と決意/麻雀・Mリーグ

 離れて暮らす息子・娘に届けたい思いがある。赤坂ドリブンズ・村上淳(最高位戦)は、最高位戦日本プロ麻雀協会の最高峰タイトル、最高位を3度獲得し、日本オープン、最高位戦Classicと、主要タイトルを制覇。「三冠王」となり華々しく活躍し、Mリーグでもその実力を発揮している。ただ、そんな栄光の陰には、2人の子供と離れて暮らす寂しさや、月に2回だけ過ごす親子の幸せな時間がある。AbamaTVの麻雀ニュース番組「熱闘!Mリーグ」では、そんな村上の姿に迫った。

 村上が麻雀を始めたのは5歳の頃。祖父に勧められ、すぐに魅力に取りつかれた。父は弁護士、母は料理研究家という厳格な家庭に育ち、中高一貫校から早稲田大学に進学。在学中には年間500半荘をこなし、そのままプロテストに合格、プロ雀士としてのキャリアをスタートした。


 自宅には40冊にもおよぶノートの山がある。これまでの戦いの記録だ。デビュー当時から戦績をつけたもので、ふと手にしたのは今から10年前、2008年当時のものだった。開くとそこには半荘数、3万2305回を示す数字が。トップ率28.4%、平均順位は2.369。1年間に半荘を約3000回こなし、その上で好成績を残してきた証しがしっかりと残されていた。「どのくらいの数字で、どのくらいのポイントで勝てるかというのを、客観的に把握するために、すごく前から数字にはこだわっています」と、メモを取り続ける理由を説明した。

 現代では当たり前となったデータ分析だが、20年前から数万試合のデータを独自で研究してきた村上は、麻雀界においては異端だった。Mリーグで戦うU-NEXT Pirates・石橋伸洋(最高位戦)は「(当時は)麻雀には流れがあると考えるのが当たり前だったんですね。その中で村上さんは自分の信念を貫いて『麻雀に流れなんてないんだよ』と。当時としては異端だったんですけど」と振り返った。さらには「村上さんがデジタル(麻雀)の先駆けとして登場したんです。今ではネット麻雀などで『麻雀に流れなんてない』と思う人が増えましたけど」と、既成概念にとらわれないパイオニアだったと語った。

 熱い思いとデータに裏打ちされた雀力で、多くの麻雀ファンから支持される村上だが、私生活では10年前に結婚するも、3年前に離婚。愛する9歳の息子、7歳の娘とは、別の屋根の下で暮らしている。今は月に2回、子供と会える時間が唯一の楽しみだ。「毎日一緒にいたのに、急にいなくなるっていう辛さはあります。朝方よく息子が布団に潜り込んできたので、そういうのがなくなったと思って、(思い出して)むっちゃ泣くとか、そういうのはありましたね」。子供と生活していたころは子煩悩な父親だったという村上は、愛する家族との思い出が残る家に、今も1人で住み続けている。


 だからこそ子供と会える日は、特別な一日だ。とある日、2週間ぶりに会った子供と動物園に行った。Mリーグの激しい戦いが続く中、子供と過ごす時間が何よりの休息になる。「僕も一緒に居たかったですし、2人の成長をそばで見ていくとものだと思っていた。それが叶わなかったのは申し訳ないですね」。戦い終えて、勝利の報告を家で待つ子供にする、ということはできなくなった。その代わりに戦いの場には決まって持っていくものがある。お守りだ。

 スポーツウェアのようなユニフォームの左側のポケットには息子の写真、娘の手紙と好きなおもちゃが入っている。「これを触っていても、配牌がよくなるとか、ツモがよくなるとか本気で信じてやっているわけではないんです。でも子供のことを思いながら戦う、力が出るっていうのは、そんな気がするだけですが、そう思ってやっていますね」と、いつも3人で卓に向かう。緊張した場面、決断を迫られた場面で、左ポケットに忍ばせたお守りが、そっと力を与えてくれるのかもしれない。

 21人の初代Mリーガーの1人として、初代チャンピオンの座は当然目標としている。その先に見据える夢には、やはり子供への思いがあった。「将来、子供2人が僕のお父さんはMリーグという舞台で活躍する麻雀プロだと、自慢してもらえるようなそんな父親になることです」と力強く語った。対局場に響き渡る「リーチ!」の発声は、村上の代名詞。その声と活躍ぶり、そして思いは、きっと子供たちの心に届く。


◆大和証券Mリーグ2018 7チームが各80試合を行い、上位4チームがプレーオフに進出するリーグ戦。開幕は10月で翌年3月に優勝チームが決定する。優勝賞金は5000万円。ルールは一発・裏ドラあり、赤あり(各種1枚ずつ)。また時間短縮のために、全自動卓による自動配牌が採用される。

(C)AbemaTV


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